Story

「molq」という名前

型を、問う

夕暮れの里山と、遠くに望む富士山

molq(モルク)は、チーズの型枠 ── mold から生まれた造語です。やわらかなチーズを、かたちへと導くための、あの型。その最後の文字だけを、question の q に置き換えました。

型は、便利なものです。同じかたちを、迷わず、きれいに生み出せる。けれど私たちは、その「型」を、もう一度問い直してみたいと思いました。

いま自分がはまっている型。当たり前だと思い込んでいること。それは本当に、自分が望んだかたちなのだろうか——。

私たち自身、東京で技術者として働きながら、いつしか、用意された型の中にいることに気づきました。その型からそっと足を踏み出して、たどり着いたのが、この平林です。正解のない手しごとのなかで、毎日ひとつずつ「なぜ」を確かめていく時間は、思いのほか自由で、面白いものでした。

ときどき、型を問うてみる。そこで見つかるのは、答えではありません。「自分は、どうしたいのか」を、自分の手で決めていくこと。molq の q は question(問う)、置き換える前の mold の d は decision(決める)。問いと、決断。その繰り返しが、人生を少しずつ面白くしていくのだと思います。

molq のチーズを口にした誰かが、ふと、自分をかたちづくっている型に気づく。そして、小さな問いと、小さな決断を、ひとつ重ねてみる。そんなきっかけになれたら、と願っています。