About molq

里山に生まれた、
小さなチーズ工房。

富士山を望む山梨・平林で、
二人ではじめたチーズづくりのこと。

この場所から、
面白いことを。

おいしいと感じてもらえた、その一瞬のために。 正解のない手しごとを、毎日すこしずつ重ねています。


東京でエンジニアとして働く二人が、櫛形山のふもとの里山に小さなチーズ工房をはじめたのは、2024年のこと。東京と山梨を行き来しながらのスタートでした。

もともと心惹かれていたのは、発酵の世界。なかでもブルーチーズは、酵母、乳酸菌、そしてカビ——三つの力でゆっくりと熟成する、唯一無二の発酵食品でした。

チーズづくりは、はじめてでした。ただ、菌を扱う仕事は、ずっとしてきました。温度や時間、菌のはたらきをひとつずつ確かめ、試作を重ねながら、すこしずつ「おいしい」に近づけていく。その手探りの時間こそが、わたしたちにとっての「表現」でした。だれかの心が、ほんの少しほどけるような味を探して。

富士山麓のミルクを、一日100リットルの鍋でゆっくりと。急がず、ひとつひとつ、小さな製造を続けています。


The Place

受け継いだ場所を、
自分たちの手で。

かつてこの集落に、編み物の小さな工房がありました。細い山道しかなかった時代、麓まで働きに出るのは大変で——前の持ち主は、集落の人たちがここで働き、暮らしを支えられるようにと、この工房を建てたと聞いています。

取り壊しが検討されていたその建物を譲り受け、二年半をかけて、壁も床も自分たちの手で改修しました。工房にしたいと伝えたとき、前の持ち主は静かにエールを送ってくださり、ご家族との交流はいまも続いています。編むことから、チーズを醸すことへ。この場所が集落に仕事を生んできたことは、かたちを変えて続いています。

物語「編む人から、醸す人へ」を読む

Why Cheese

なぜ、チーズだったのか。

ひとりは、学生のころから微生物を研究していました。水をきれいにする菌の働きを調べ、博士まで進み、そのまま同じ技術を扱う会社へ。全国の現場をまわり、実験を行う日々を何年も続けました。

大学時代から実用化を見てみたかった技術。それに一区切りがついたあと、なにかが切れたように、力が入らなくなりました。

水をきれいにする仕事は、できてあたりまえの仕事です。褒められることは、ほとんどありません。いつからか、なにかをつくる側に行きたいと思うようになっていました。

家では、趣味で発酵食品をつくっていました。お酒にも興味がありましたが、許可の壁が高く、すでに多くの人がやっている。そんなとき、動画で偶然、ブルーチーズがつくられる様子を見ました。

面白い、と思いました。その日から、自宅で研究がはじまります。

もうひとりは、同じ会社で工事と設計にいました。ほとんどを出張で過ごす日々に区切りをつけて、先に会社を出ていました。独立したいと思いながら、なにをやるかを探していたところでした。

共通の知人を介して、二人は出会います。

僕が工房をつくるので、チーズを商品にしましょう

建物をつくれる人と、菌を扱える人。それで、話が動きはじめました。


The Place

この場所を選んだ理由。

土地が手に入ること。牛乳が近いこと。魅力のある場所であること。その三つを条件に、東京や神奈川を探してまわりました。なかなか見つかりませんでした。

知人に紹介されて、平林に来ました。

条件のうち、ひとつは満たしていません。ここに牧場はなく、ミルクは富士山麓から運んでいます。それでも、この景色を見た瞬間に、決めました。

東京で張りつめていたものが、ここでほどけたのを、いまでも覚えています。

大きな組織のなかにいると、いまの専門から離れられないと、いつのまにか思い込んでしまいます。私たちも、そうでした。

型から一歩だけ出てみたら、思っていたより自由でした。

ここに来た人が、チーズを食べて、富士山を眺めて、なにかを持ち帰ってくれたら。

チーズのつくり方を見る

What we do

三つの営み。

01 — Cheese

チーズ工房

富士山麓のミルクから、モッツァレラやブッラータ、じっくり熟成させたブルーチーズまで。一日100リットルの鍋で、ひとつひとつ手づくりしています。

02 — Cafe

カフェ

富士山を望む20席のカフェ。週末だけ、できたてのチーズと山梨の食材を合わせた一皿を、絶景の特等席で。

03 — Stay

民泊(準備中)

古民家を改修した、里山の小さな宿。流れるゆっくりとした時間そのものを味わう滞在を、近く始める予定です。


The Name

molq という名前。

molq(モルク)は、チーズの型枠 mold から生まれた造語です。
最後の q は、question の q。

いま自分がはまっている型、当たり前だと思っていること。それをもう一度問い直してみる。その小さな問いが、人生をすこし面白くしてくれると信じています。


Healing in Fuji Valley

この里山を、もう一度、
人の集まる場所に。

ひとりの実家は、徳島です。近くに神山という町があります。子どものころ、よく遊びに行きました。きれいな川のほかには何もない、どこにでもある田舎でした。

その町に、少しずつ人が移り住むようになります。いつのまにか、地域再生のお手本と呼ばれるようになりました。隣の上勝もそうです。東京で力が入らなくなっていたころ、故郷のほうが面白くなっていく。その変化を、ずっと近くで見ていました。

一度、五日間かけて訪ねました。関わってきた人たちから直接話を聞き、何が起きたのかを、あらためて学ぶためです。

何もない場所が、変わることがある。それを、知っています。

真正面に望む富士山、棚田、流れるゆっくりとした時間。ここは、自分自身を見つめ直すのにふさわしい場所です。チーズを入口に、多くの人がこの里山を訪れ、人と、そして自分自身と再会する。それが、molq の思い描く風景です。


Visit

里山を訪ねる。

〒400-0514
山梨県南巨摩郡富士川町平林1929

カフェ 金 11:00–15:00(14:00 L.O.) 土・日 11:00–16:00(15:00 L.O.)

※最新の営業日は Instagram でご確認ください。